2007年2月26日 (月)

●●旅のコラム13●●

-旅のおわりに-
 

「長いようで短かった」とよく耳にするフレーズ。
この旅には当てはまりません。
やはり「長かった」。

7ヶ月の間でしたが、1年にも、2年にも感じます。
きっと毎日が新しい発見と出会いで濃い内容の連続だったからでしょう。
不思議なことに「やり遂げた」という充実感はあまりありません。 
また次の違う国「ニッポン」へ向かって旅を続ける、といった感じです。
 
唯一、このブログは休むことなくコツコツ書き続けたので
あとでふと読み返したときに、達成感を感じるのかもしれません。
小学生の夏休みの絵日記よろしく、溜めてしまって
思い出しながら1週間分まとめて書いたことも多々ありましたが。

なるべく簡素で伝えやすく、飾らない言葉で書くよう心がけたつもりでいますが
読み苦しい点がありましたらどうかご容赦を。

どんなに遠く離れた地でも、その日に出会った、誰かに伝えたい出来事や風景は
すぐにこのブログを通じてアップすることができ、
読んでくださった方々から即座に反応があった時などは
世の中便利になったものだと、しみじみ感じつつ
明日への活力とさせていただきました。
 
 
 
37カ国、130都市。
実に様々な国と地域を巡りました。
多くの人と出会い、多くの建物を見て、多くの宗教を知り、多くの文化に触れ、
その度、常に日本を意識し、そのギャップについて考えていた気がします。
「日本の常識は世界の非常識」とよく言われますが
良い意味においても悪い意味においても
それを改めて実感した旅でした。

またこの旅は、眠っていた歴史の知識を呼び起こすものでもありました。
頭の中に断片的に散らばっていた歴史の知識が
都市を訪れる度に繋がった時の小さな感動。

遠く離れた地の文明にある共通点は
もともと世界は一つだったことを物語っていました。

いつの時代からか人々は互いに憎しみ、争い、文化や自然を破壊していきました。
まさに世界史は戦争の歴史。
絶滅した文明、絶滅した動植物。
その戦史の傷跡はこの旅を通じていやと言うほど目にしました。
 
史実を継承するという点で世界遺産は大きな役割を果たしているでしょう。
また失われつつある自然や動植物を保護する目的でもある世界自然遺産は
今後もその登録数を増やしていくべきものであろうと思います。
それらの多くに今回の旅で出会えたことは貴重な体験でした。
 
 
 
心の琴線に触れた多くの出来事と風景-
 
・恐怖を覚えた薄暗いモスクワの地下鉄。
・バルト海、船のデッキで感じた心地よい北欧の風。
・緑と溢れる木漏れ日の光の中、静かに佇むスウェーデンの森の墓地。
・ドナウ川とオレンジに輝く夜景、ブダペスト
・人間の理性を問いただされたアウシュビッツ収容所。
・内戦で友人を亡くしたクロアチア人夫妻の悲痛な表情。
・床に雑魚寝して寒さに耐えたイタリアへの船内。
・震えるほどの轟音、F1グランプリ
青の洞窟内に響き渡る船頭の歌うカンツォーネ。
ウィーンの夜の教会、暗闇の中で祈りを捧げる人々。
・目の覚めるようなギリシアの島々の蒼い空。
パリ・オペラ座、鳴り止まぬカーテンコールの拍手喝采。
・スペイン、哀愁漂うフラメンコの手拍子。
・モロッコの砂漠、恐ろしいほどの静寂と満点の星空。
・動物たちの楽園、脅威のガラパゴス
・霧に包まれる神秘の空中都市、マチュピチュの幻想的な朝。
・ボリビアのウユニ塩湖、この世の果てを思わせる真白な大地。
・暗闇の中から徐々に現れるモアイ像のサンライズシルエット。
・雷鳴のような轟音で崩れ落ちる、アルゼンチン、モレノ大氷河
メキシコ、色とりどりのカラフルな壁と青い空。
・穏やかな風と心地よい音楽の旋律、カリブ海の島々。
・人類の作り出した宝石、マンハッタンの夜景。
エアーズロックと果てしなく広大な地平線。
ミャンマーの寺院、人々の敬虔な祈り。
 
 
これらの情景が走馬灯ように頭の中を巡り、
まるで今まで夢を見ていたかのような錯覚に陥ります。
 
 
 
普通の生活では味わえない多くの経験をしましたが、
この旅を通じて「何が変わったか」と言われても
「何も変わっていない」のが正直なところ。
すぐにまた旅行前と同じ生活が始まり
リズムが一転して、喧騒に埋没していくのでしょう。
 
ただほんの少し、改めてこの「ニッポン」という国を
好きになった自分達がいるのは間違いないようです。
世界を見つめるよりもまず、自国の文化を見直すほうが先なのではと実感しました。
 
そして改めて「日本人であること」。それを強く意識させられる旅でもありました。
今後、ことあるごとに「世界の中の日本」を意識する機会は多くなるでしょう。
 
旅を終えた今、日本の素晴らしい文化や伝統を
海外に対してもっと誇っても良いのではないかと感じています。

日本人が思うほど「ニッポン」は悪い国ではない。
 

 
 
最後に、この旅の実現を暖かく見守ってくれた家族、親戚、友人、旅先で出会った方々、
ブログを愛読していただいた全ての方々へ、この場を借りて深く御礼申し上げます。
どうも有難うございました。
      
                        2007年2月26日 成田空港第2ターミナルにて

 

 

2007年2月24日 (土)

●●旅のコラム12●●

-訪問国所見-

 

多分、この旅を終えてから周りの方々に多く聞かれるであろう質問は、

「どの国が行って良かったか?」

だと思われるので、予め大まかにここに記しておこうかと思います。

 

その国や街の印象を決める要素として、私たちの旅の中では

・宿泊したホテル

・ご当地の食事

の良さが理由の8割を占めてしまう、という特別な条件が反映されてしまうのですが。。

 

とはいえ、訪れた国は総数37ヶ国。

選定はかなり難しいので、とりあえずヨーロッパ、北中米、アジア・オセアニア

に分けてのベスト3。

 

―ヨーロッパ―

1.       イタリア

2.       スペイン

3.       クロアチア

 

―北中米―

1.       ペルー

2.       チリ

3.       ボリビア

 

―アジア・オセアニア―

1.       ミャンマー

2.       香港

3.       オーストラリア

 

と、まずここまで絞るのに選外となった国がボーダーライン上に多々あり。

それぞれの国と印象深かった街を挙げると以下の通り

 

 

ヨーロッパ1位、イタリア

 

いわずと知れた芸術の都の数々のイタリア。

特に印象的だった街が、トスカーナ地方の古都「シエナ」。

中世の趣が多く残る美しい街並みと、世界一美しいといわれるカンポ広場。

そして実はここシエナにて、二晩連続で食したお気に入りのレストランの味が

忘れられず、その印象がイタリアを1位に押し上げたと言っても過言ではない。

またその他にも、丘の街「アッシジ」、屈指のリゾート「コモ」、水の都「ベネチア」など、

枚挙にいとまが無い。

ということで、文句なしのヨーロッパ部門1位。

 

 

ヨーロッパ2位、スペイン

 

実に2週間以上かけ、多くの街を訪れました。

行く先々で名物料理に出会い、出費の多かった国。

また、フラメンコなど独特の郷土の文化に触れられたのも印象深かった。

 

 

ヨーロッパ3位、クロアチア

 

ホームステイを快く受け入れてくれたホストファミリーの暖かさが心に沁みた街。

「アドリア海の真珠」と呼ばれる世界遺産指定された旧市街は目を疑うような美しさ。

まだまだ日本人にはなじみの無い、オススメの一国。

 

 

 

 

 

北中米1位、ペルー

 

北から南へと様々な乗り物を乗り継いで縦断。

ナスカ、マチュピチュ、チチカカ湖など各地に違った表情があり、見ごたえ十分。

特にお土産物の種類の豊富さは随一。

  

 

北中米2位、チリ

 

ここはチリに属している「イースター島」の存在が大きい。

もう一度どこに行きたいかと聞かれたら、イースター島は外せないかも。

その他南北に細長い国とあって、南部パタゴニアなど違った生活も見もの。

  

 

北中米3位、ボリビア

 

ここもまだ日本人にはなじみの無い国。

すり鉢状の首都ラパスの景観は見事の一言に尽きる。

ウユニ塩湖や赤い湖ラグーナコロラダなど手付かずの自然が豊か。

 

 

 

 

 

アジア・オセアニア1位、ミャンマー

 

仏教大国ミャンマー。

まずもってそのビルマ文字の丸っこい形からしてユニーク。

訪れる都市により仏像の形態も様々で興味が尽きない。

 

 

アジア・オセアニア2位、香港

 

食の宝庫。

この旅中ずっと求めていた味がここ香港に集約。

 

 

アジア・オセアニア3位、オーストラリア

 

ウルルの壮大な大自然。

動植物も種類が豊富で都市と自然のバランスが絶妙。

 

 

 

 

このランキング、夫婦2人でかなり意見が分かれるかと思いましたが、 

意外とあっさりと決まりました。

その場所場所で受けた感動が同じだったという証拠でしょうか。

 

特に上述のイースター島はその神秘性、豊かな自然、南国特有の大らかさなど

すべてに心をリラックスさせてくれる要素が多く、オススメの観光地。

時間とお金さえ惜しまなければ、極上の旅ができること間違いナシ。

 

そして国としてではなくピンポイントでしか観光していませんが

ガラパゴス諸島は本当に行って良かった。

動物の楽園、ツアーの毎日が新しい発見の連続。

スケジュールがきつかったり、船酔いとの格闘も大変でしたが

もしかしたら、ここが「行ってよかった場所」一番かもしれない。

 

 

ボーダーライン上の選外の国、街についてはここでは書ききれないです。

そしてコレだけ多くの国を回っても、まだ行きたい国がたくさんあるのも事実。。

 

 

2007年2月22日 (木)

●●旅のコラム11●●

-宗教と貧困-

 

この旅で多くの国を訪れ、様々な宗教と出会いました。

どの国でも人々の信仰心は厚く、その文化の多様性に

改めて世界の広さを感じました。

 

日本人は宗教心が薄いとよく言われます。

もちろん日本にも各地方により様々な祭や宗教行事があり

外国からも観光客が見学に来るほどではありますが

どこか単なるイベントとして行われている感があり、他の国のそれほど

本当の信仰心の込められたものでは無いように感じてしまいます。

クリスマスに代表されるように。

「産まれたときは神社へ、結婚式はキリスト教会へ、亡くなったときはお寺へ」

という代表的な習慣にしてもそうですね。

 

私たちも特にこれといって深く教義などを学んで信仰している宗教はありません。

今回の旅の中で感化されてその信者になった、ということもありませんでした。

当然と言えば当然ですが。

 

ただ、本当にその敬虔な人々の祈りや壮大な宗教建築などを見ると

「本当に神様(仏様)っているのではないか?」と頭をかすめることはありました。

 

人間はもともと弱い生き物です。

宗教がその人々の心の救いになることは周知の事実です。

そしてまた宗教は様々な弊害や災いをもたらしてきたことも事実。

  

歴史上の戦争は宗教の対立によるものがほとんどです。

「神」の名をもとに繰り返されてきた争い。

日本も例外ではありません。

 

そして21世紀を迎えた今でもなお、宗教上の対立による戦争は絶えません。

 

 

宗教と言えば、昔ながらのカースト制度の色濃く残るインドでの話。

かつてバラモン教の一部として作られた階級差別です。

このカースト制度の一面を見たことがあります。

 

インドのあるホテルに宿泊した時のこと。

バスルームにタオルが無いことがありました。

ハウスキーピングにその旨を伝えると隣の部屋がちょうど清掃中で

廊下にタオルの替えがあるにもかかわらずその人は

他の清掃員を呼んできてそのタオルを取替えてもらっていました。

 

よく話を聞くと、その人は便器の掃除しかできないとのこと。

それもその理由が、カースト制によるものなのだとか。

仕事上としてではなく、便器の掃除という(ヒンズー教上の意味での)「不浄な」

役割しかしてはいけないのだということなのです。

それ以上の、客にタオルを渡すなどという行為は、

カースト制によりやっていけないのです。

いまだに人が人として扱われていない現実を目の当たりにした一面でした。

 

 

この今でも残るカースト制の名残。

人々は生まれながらに決められたその階級制の定めに従い、

向上心を失ってしまっているという現実があります。

 

低いカーストに生まれたのだから、いくら努力しても良い生活は望めない。

だから努力をしない。そして貧困から抜け出せないという悪循環が起きてます。

 

またこの旅で訪れたミャンマーでも、信仰心の強い特に地方に住む人々は

自分たちの生活を良くしようとはあまり思わずに満足してしまい

稼いだお金を貯めずにお寺への寄付に使ってしまうと聞きました。

 

 

ただ一つ言えることは、貧困だからといって心まで貧しくなるわけではないということ。

これは厚い宗教心が心を豊かにしているためだとも思われます。

 

逆に貧困が心を貧しくする場合も時にはあります。

人をだましたり、盗みを働くようになったり。

 

宗教と貧困の相関関係は奥が深く、私たちのようなある意味

宗教心の希薄な国民にとっては、容易には理解しがたい問題だと感じました。

 

2007年2月21日 (水)

●●旅のコラム10●●

-ビックマック指数-

 

このブログの中で、訪れる国が変わる度に都市での物価を

書き込むようにしています。

 

その中で毎度のことながら「ビックマック」の値段を載せているのですが

これには訳があります。

 

世の中には何やら「ビックマック指数(BicMac Index)」なるものがあるようで

調べたところによると・・・

 

 

いわずと知れたマクドナルドの「ビックマック」。一番豪華なハンバーガー。

ほぼ全世界で同一品質のものが販売されています。

 

この値段設定は原材料費や店舗の光熱費、店員の労働賃金など、

さまざまな要因を元に単価が決定されるため、

各国の経済状況を如実に反映し数値化することが容易なのだそうです。

 

イギリスの経済専門誌『エコノミスト』(The Economist)によって考案されたそうで

信頼を置ける基準ではないかと。

 

なのでこの旅の中でも、まず訪れた国でビックマックの値段を調べることによって、

都市の大まかな物価の様子を把握しよう、と試みた訳です。

 

なにも興味本位で調べているだけであって、マクドナルドに入って

ビックマックばかり食べているわけでもないので、あしからず。

 

 

これまで訪れた国の中で値段の高かった国ベスト3。

 

・フィンランド(640円)

・ノルウェー(640円)

・スウェーデン(495円)

 

値段の安かった国ベスト3。

 

・香港(185円)

・ロシア(220円)

・タイ(220円)

 

こうしてみると、必ずしもその国の物価とビックマック指数が

正確に連動しているわけでもなさそうなのですが、

あながち大きく間違っていないような気もします。

 

 

また、ビックマック指数と同様に国の経済状況を測る「コカ・コーラ指数」

なるものも存在するようです。

 

コカ・コーラなどはそれが売られていない国を探す方が難しいほど

メジャーな飲み物ですが、

これはその国での購入場所によって値段がまちまちなので

正確なデータが取れないという欠点があります。

 

特に空港で売られている価格と街中のスーパー等での価格とでは

倍以上の開きがあるため、その判断が難しいです。

 

その点、マクドナルドでの価格は同じ国の中であればどこも同価格なので

比較するには最適な商品なのでしょう。

 

なのでコカ・コーラの場合、参考程度に街中のキオスクなどで売られているもので

500mlのボトルの値段を調べて、ブログ中では書き込んでいます。

あとは500mlのミネラルウォーターの値段も参考までに。

 

 

その他「スターバックス指数」という指標もあります。

各地で売られているカフェラテのトール(日本で言うスターバックスラテのトール)

の価格を比較するもの。

ただしマクドナルドに比べると店舗が普及していないので

比較するには母体が少なすぎます。

 

また、最近ではオーストラリアで「iPod指数」なるものも提唱されているとか。

いろいろな指標がありますね。

 

 

バスや地下鉄などの公共料金などは、その国の庶民層の生活レベルを

如実に表すと思うので、今となっては、初めからそれらを調べていた方が

良かったような気もします。

 

2007年2月19日 (月)

●●旅のコラム9●●

Made in JAPANの威力-

 

旅の持ち物の中で、これは絶対日本製が良い、というものが多くあります。

正確には、「Made in JAPAN」ではなく、「日本で売られている製品」ですが。

 

よく耳にするのが、ボールペン。

これは絶対日本製が一番良い。値段、書き心地からしても。

あんなに安くてしかも長く使えるボールペンは、世界中探せども日本製以外に無いです。

海外で売られているものは、ヘタすると2本に1本は、使用後2,3日で書けなくなる。

 

あとは、背中洗い用のナイロン製タオル。

コレ、意外にも海外ではまず買えません。

一度ギリシアで売っているのを見ましたが異常に高かった。

 

また、電気機器全般。

日本の誇る家電メーカーの製品は、海外では非常に高い。

日本の量販店での価格が激安であることによるのだろうけども、

特に日本でも少々お高いSONY製品は、海外では約2倍から3倍の値段などはざら。

会う人に、持参しているノートパソコンの値段を言うと皆その安さに驚いていました。

外国人旅行者が秋葉原などに買い物に立ち寄る理由が良く分かります。

 

そして車。

今多くのアジアの国では日本の中古車が市場に出回っています。

ここミャンマーでも日本製の車が、日本での現役時代を終え

2、第3の人生を送るべくコキ使われていますが

相当古い車でも故障することなくエンジン音を高鳴らせ走っています。

 

これぞ「Made in JAPAN」の真髄。

 

2007年2月17日 (土)

●●旅のコラム8●●

-透明人間の感覚-

 

旅行中、とりわけ私たち日本人は目立つ存在。

その風貌さることながら、「日本人=金持ち」とい認識から

街中を歩くと周りの地元民から注視されている気がします。

 

今回の旅でそれを実感したのがヨーロッパではポーランドにて。

治安の悪さの情報を得ていた私たちは、到着時からかなり周囲におびえ、

そして私たちを狙っているのか、街中を歩くのに常に周りから

注視されているように感じられ、緊張を強いられていました。

 

あとで現地ガイドの人に聞いた話では、それは旅行者を狙って

凝視しているのではなく、ただ単に東洋人が珍しいだけで

日本の山奥の田舎に欧米人がやってきたようなもの。

単に興味があって見ているだけ、とのことをうかがい安心しました。

 

南米でもボリビアやペルーでも同様なことが起きましたが

事前のポーランドでの体験もあったのでその辺は緊張しませんでした。

 

 

旅行中、ある街に一週間ほど滞在したりして慣れてくると

食事などもレストランばかりでなく、現地のスーパーや市場などで

買い物を済ませるようになり、まるで現地人と同じような生活を送るようになります。

 

周りから特別扱いも受けなく、興味の目で見られなくもなり

現地に溶け込み、ふっと軽くなる一瞬。

そんな感覚が意外と心地良いです。

 

 

作家の沢木耕太郎が著書『深夜特急』の中で

 

「黙っている限り、誰も私のことを異国人とは見なさなくなる。

異国にありながら、異国の人から特別の関心を示されない。

こちらは好奇の眼で眺めているが、向こうからは少しも見られない。

それは、自分が一種の透明人間になっていくような快感があった。」

 

と書いています。

 

そう、この「透明人間」の感覚。

非日常が日常になる、この一瞬がたまらなく好きでまた街へと繰り出します。

 

2007年2月11日 (日)

●●旅のコラム7●●

-ゲームとしての旅-

 

旅行中に出会った様々な人たち。

また、その旅行のスタイルも様々でした。

 

日本から全てパッケージのツアーで来ているグループ。

私たちのように航空券のみであとは自由に行き先を選んでいる人。

安宿を転々として旅するバックパッカー。 などなど。

 

 

かく言う私も学生の頃はバックパッカーのような旅をしていました。

13ドルくらいの安宿に泊まって、その不衛生さにあとで後悔したことも多々あり。

ただそこらへんは何事も経験だと割り切って、または興味本位で。

 

だから体力的、精神的に疲れた時などは学生の身分ながら

お金を出して高いホテルなどに泊まっていたりしました。

そんなことを言うと、筋金入りのバックパッカーなどに怒られそうですが。

  

 

バックパッカーといえば、これも様々な人と出会いました。

 

自分がどれだけ安い予算で旅を続けているかを自慢する人。

1日の予算を10ドル以内に決めて旅をしている人もいました。

 

自分がどれだけ危険な目に遭ってきたかを自慢する人。

安さゆえに治安の悪い地区に滞在して、本当に死にかけた人もいました。

 

そんな人たちは、高い金を出してのツアーなどは旅ではない、と考えている。

 

しかしそういう人に限って、日本に帰るとわりと普通の生活をしていたりするのです。

 

日本人のバックパッカーなどは所詮金持ちの国の旅人。

本当に金に困って旅行を続けている人などはまれです。

資金が尽きれば日本に戻り、お金を得てまた旅に出たり。

裕福な国の国民だというバックボーンがあって初めて出来る道楽。

  

 

要は旅というのはゲームと同じなのではないでしょうか。

自分でスタイルや目標をを定めて、どれだけそれに沿った旅ができるか。

 

安宿に泊まり続ける旅も結構。

危険すれすれの旅も結構。

そのスタイルを誰も否定することは出来ません。

 

パッケージツアーは本当の旅ではない、と言うのも見当違い。

バックパッカーだからと言って毛嫌いする人もいますが、それもおかしな話。

100人いれば100通りの旅のスタイルがあって、お互い否定すべき事柄ではない。

 

 

今回の私たちの旅も、自ら課した難題に対して

いかにゴールをするかを競う「ゲーム」なのです。

 

 

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2007年2月 9日 (金)

●●旅のコラム6●●

-水と安全がタダの国-

 

日本は水道水が飲用できる、世界でもまれな国。

水がタダといわれる所以です(正確には違いますが)。

世界の多くの国では、水道水は飲料としては飲めせん。

 

よって旅行中は日本にいる時よりも、断然ペットボトルの水にはお世話になります。

国によっては、ビールやワイン等のアルコール類より値段が高いので

買うのに抵抗がある場合も多々あります。

それを理由に、ついついビールばかり飲んだ日々が続いたこともありましたが。

 

 

余談ですが、ペットボトルの大きさは国により様々で、

基本は日本でもよく見かける500mlのものが多いのですが、

たまに650mlという、中途半端な大きさのペットボトルも見かけました。

 

アメリカやオーストラリアはこの650mlが主流。

1人が一回に飲む量として500mlでは少なすぎるのでしょうか。

 

 

また、治安に関しても日本は限りなく安全な国の一つ。

南米では夜歩きは当然のことながら、日中でも徘徊するには危険な地区が多々あり、

よく現地ガイドの人には注意されていました。

 

最近は日本でも凶悪事件などのニュースを良く耳にしますが、

南米などでは日本で言う凶悪事件などは日常茶飯で、

ニュースにすらならないと聞きます。

 

そのため、安全をお金で買うという意味で、南米で治安の悪い都市では

少々高い金額のホテルになっても安全な地区に宿泊していました。

 

そう考えると日本では安全もタダ同然ですね。

 

 

蛇口をひねれば飲用の水が出て、夜遅くまで女性が一人で歩ける国。

そんな国は世界中探しても、日本しかありません。

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2007年2月 6日 (火)

●●旅のコラム5●●

-サマータイムと国民性-

 

この旅行中、始まりが夏のヨーロッパで、その後日本の冬を南米とオーストラリアで

過ごしたために、1年の中で3回サマータイムを経験しました。

アメリカなどは国の中でも4つの時差があり、加えてサマータイムでは

切り替わる時期には混乱するのでしょうね。

 

サマータイムとはご存知の通り、夏の一定の期間だけ時計の針を1時間早め

(例えば19時が18時になる)、会社などの退社時間を早めて、明るいうちの時間を

余暇に使おうというもの。

 

あとは明るい時間を有効的に使うので照明などの資源の節約でき、

省エネ目的という名目もあります。

 

名目、というのは帰宅時間が早まることによって冷房需要が増え、

返ってエネルギーのロスになる可能性がある、という意見もあるから。:

 

 

かつて日本にもサマータイムを導入していた時期(19411951年)がありました。

現在でも北海道の一部で試験的に導入されていますね。

で、なぜ日本には定着しなかったのか。

その理由がいかにも日本人の国民性が出ています。

 

というのも、明るいうちに退社するという習慣が無い日本の企業。

当時も、まだ暗くないのに退社するということに社員は気が引けて帰れない。

1時間早まって明るい時間が長くなれば、単に残業時間が増えるだけで

サラリーマンにとっては何のメリットもなく、かえって状況が悪化したためだとか。

 

しかも「サービス残業」なる世界でも珍しい暗黙の制度がある日本では

サマータイムが定着するはずもありませんね。

 

 

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2007年1月29日 (月)

●●旅のコラム4●●

-差別という名のボーダー-

 

パリはユーロスターの搭乗口での出来事。

 

ロンドンへ向かうため出国審査前に列をして並んでいると、

通常は簡易的にチケットを見せるだけで通過できるゲートで

あるイスラム系の男性が通過しようとすると、係員に止められていました。

そして男性は執拗に係員に対し怒りをあらわにしている。

 

話しを聞いていると、どうやらこの男性、

自分がイスラム系の国民というだけで係員に呼び止められ、

身分証明の提示や質問を受けて、さらに指紋の採取を

強要されたことに激高しているらしい。

  

 

アメリカでの同時テロ、ロンドンでの同時爆破テロ以来、このように

特にイスラム、もしくはアラブ系の人達への尋問が厳しくなっていると聞きます。

 

確かにその人種差別的な取り締まりに不満があるのは理解できる。

宗教以前に、人種として怪しまれているのだから。

 

 

他にもこんな話が。

 

格なイスラムの女性は頭をベールで覆い、目しか出さないスタイル。

たとえそれが出入国審査であろうと、ベールを取るのは

戒律を破るという意味で屈辱なのだそう。

 

しかし国際基準として、顔の目視によって

本人確認をするのは避けられないこと。

国としてテロ対策の一環で取り締まらねばならない事情もあるし

不審者を入国させるわけにもいかない。

 

宗教上の価値観の違いは世界中のどこでも、いつの時代でも

避けられない重要な問題です。

 

 

電車でわずか3時間の両国間。

そこには国境など無いようにも感じられるのですが

「差別」という名のボーダーは、確かにそこに存在していました。

  

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